認知症利用者さんの入浴拒否対策

たびたび記事にしている認知症利用者・Aさん(女性)。

認知症もすすんでいますが、特に入浴拒否が強い方です。

毎回、あの手この手で入浴を促します。

「温泉に行きましょう」

「痛い足を温めましょう」

手を握り、目を見つめ。

決して余裕があるとは言えないスケジュールの中で、できる限り時間をとって向き合いますが、正直ここのところうまくいかないことが多くなってきました。

もう、脱衣所を見ただけで拒否状態です。

これでいいのか

そんなことが続き、1週間くらい未入浴の状態で、私の担当に回ってきました。

その日は本人の状態もややクリアで拒否が弱かったので、なんとか入浴していただくことができました。

ですが私の心には大きな疑問が残りました。

脱衣中、拒否が始まったAさんは「騙された」「風呂には入らない」と大きな声で訴えました。

私は、なだめつつ入浴に誘導しました。

力ずくなんてことはしていませんが、Aさんにとっては心理的な力ずくだったかもしれません。

もちろん体は清潔にしておいた方がいい。

でもこうまでして入浴させることが本人のためと言えるのだろうか。

もっと他に方法はないだろうか。

大きな疑問が残ることになりました。

新しい声かけ

次の日も、彼女の入浴は私の担当でした。

私の中ではまだ葛藤がありましたが、前日入られていたこともあり、今日は未入浴でもいいかなと思っていました。

なので、声かけを、いつもの

「お風呂に入りましょう」

ではなく、

「お風呂、どうしますか?どちらでもいいですよ」

にしました。

実際、私はそう思っていたんです。

入浴までにちょこちょこ拒否の症状が出てきましたが、その時も

「Aさんはどうしたいですか」

「どうしてほしいですか」

とAさんに選んでいただくようにしました。

声のトーンも、低めにゆっくりと、さとすような言い方にしました。

結果、無事に入浴していただくことができました。

次の日も、同じ作戦でいきましたが、ここ最近ではいちばん穏やかな入浴となりました。

<スポンサーリンク>


うまくいったのはなぜか

私がAさんの対応をする時に心がけていることがあります。それは、

本気で向き合うこと
逃げないこと
Aさんのためを思うこと

拒否が続いたり、辛そうなAさんを見ると、正直楽ではありません。

でも、やっぱりAさんにとって信頼できる存在でありたいと思うのです。

私はAさんの叫びの中で、どこかで「入浴したい」という思いを感じていました。

だけど、いろんなことが怖くて不安で気になってどうしていいかわからない。

「あなたの話を聞きますよ」

そういう私の気持ちを、もしかしたらAさんが感じ取ってくれたのかもしれません。

これからも

そのうち、今のやり方が通用しなくなる日がくるでしょう。

次は、何が拒否の理由になるのか見当もつきませんが、また同じように探っていくだけです。

Aさんがいろんなことを忘れていっても、お風呂だけは好きでいてくれたらいいなあ・・・

なんてちょっと高望みかな。

ありがとうございました。