生まれて初めて認知症の方と接する。笑顔がこんなにも嬉しいなんて

私が働いている介護施設は比較的自立度の高い方が多いのですが、認知症の方は結構いらっしゃいます。

今まで身の回りに認知症を患った人がいなかったので、私にとっては生まれて初めての認知症患者さんとの接触でした。

介護職に就くにあたり、認知症は興味をひかれることの一つでした。

初任者研修を受講した時に、認知症についての授業はあったものの、例えば「不穏」の時の対応など、こればっかりはよくわかりませんでした。

Nさんという女性の利用者さん。認知症が進んでいます。

私の仕事は入浴介助がメインなのですが、お風呂場でのNさんは特に不穏になることが多く、こちらも毎回あの手この手で四苦八苦。いつも時間を要していました。

私はなんとか彼女とコミュニケーションをとりたいと思いました。

いえ、コミュニケーションは難しいかもしれないけど、せめて私を安心できる人物だと思ってほしいなあと。

Nさんの対応がスムーズにできれば、自分の仕事がうまく回るというのもありますが、何より不穏な状態の彼女が不憫で。

被害妄想の強い方というのもありますが、何をされるかわからない恐怖を感じている彼女の表情が毎回たまらないんです。

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何をどうしたらいいのか、私なりに考えてみたんですが、とりあえずNさんに会うたびに目を合わせ、声をかけることにしました。

お風呂以外でも、廊下や座席、すれ違っただけでも笑顔で手を振り挨拶を交わす。

それが正解ではないでしょうし、他にもいい方法があるのかもしれません。

うちの施設には介護のベテラン職員がいないので、何とも言えないのですが、今のところ悪い方向にはいっていないようです。

だんだんNさんが私のことを目で追ってくれるようになり、手を振り返してくれることも増えました。

そして私の戦場であるお風呂場でも不穏が減ってきました。

さすがにニコニコとはいきませんが・・・いつかはそうなってくれるといいなと思っています。

 

最初は、お風呂業務をスムーズにできるように始めたNさんへの接触ですが、意外なことに今では私自身が楽しみを覚えるようになりました。

Nさんがだんだん見せてくれるようになった笑顔が嬉しくて仕方ないんです。

あの笑顔が見たくて、毎回話しかけてしまいます。

多分、元々は面白くて優しい方だったんでしょう。

私のことは認識しているとまでは言えないでしょうが、それでもポツポツと出てくるようになった言葉がユニークで、思わずこちらが笑ってしまうほど。

 

認知症ってこういう感じなんだなあと思いながら接しています。身体的な自立度はあるので、もっと重度な方はまた違う大変さでしょう。ましてご家族だったらと思うと、綺麗事ではすまされない現実も想像できます。

私は今、たった一人、初めての認知症の方に接しただけ。この業界にいる限り、これからもっと難しい状況に遭遇することになるでしょう。

しかし、認知症に俄然興味がわいてきた今日この頃。これもNさんのおかげですね。ありがとう、Nさん。