介護職日記:職員の役職が気になるYさんといつもニコニコZさん

ある男性利用者さんの話です。

Yさんとしますね。認知症の症状がありますが、自立度は高い方です。

このYさん、介護度の高い他の利用者さんのことを見下したような言い方をされているのがちょっと気になっていました。

聞いていてあまり気持ちの良いものではないので、適当に相槌を打っていたんですが、先輩職員に聞いてみると、男性利用者さんにはよくあるタイプみたいですね。

堅い仕事をされてきたのか、会社で偉くなられた方なのか、ご高齢でもエベレスト並みのプライドをお持ちなんです・・・^^;

 

そのYさんが先日、職員がそろっているのを見て、私にこう言ったんです。

「この中で役職付きは誰?」

そこ、気になる?!

Yさん、もう90歳近いので、企業人だったのは少なくとも数十年前でしょう。

でもいまだに肩書きとか見た目とか、そういうフィルターを通して人を見ている。

そしてその価値観を当たり前、みんなそうだと思っている節があって、私にも「そう思うでしょ?」と同意を求めてきます。

嫌な気持ちというよりなんかもう切なくなるんですよね。

Yさんも今からどんどん心身の自由がきかなくなってくる。そうなった時、果たしてYさんの心はついていけるのかなあ。

 

どうしてこうなっちゃったんだろう。

家と施設じゃ全然違う人も多いっていうし、もしかしたら家では肩身の狭い思いをされているのかなあ。

妄想は尽きませんが、Yさんが心を開いてくれるまで慎重に対応していかないといけない相手であることは事実です。

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もう1人、同じような症状(軽い認知症)の同じような年齢の男性利用者さんでZさんという方がおられます。

こちらのZさんは、反対にいつもニコニコ。

物腰も柔らかく、ちょっとしたことにも「ありがたいねぇ」とおっしゃってくださるので、対応しているこちらまでほっこりした気持ちになります。

Zさん、前におっしゃっていました。

「女性は強い言い方をされると嫌でしょ。穏やかに話す方がいいからねぇ。」

今でもその時のことを思い出すと目頭が熱くなりますが、きっとZさんもいろいろなことがあったんでしょう。

相手を思い、優しい言葉が口に出る。遠くを見るようなZさんの優しい目に、深い尊敬の念を覚えました。

 

介護をしながら思うのは、利用者さんが偉いかどうかなんてどうでもいい。お金持ちかどうか、外見がいいかどうかなんてそぎ落とされます。

そういう意味では、その人が貫いてきた本質のようなものに触れることができるのが介護職。

介護職としては未熟な私は、ついつい会話を楽しんでしまい作業スピードが落ちてしまうのですが、人生の先輩方の尊い話に耳を傾けることをやめられそうにありません。