NHKプロフェッショナル。介護職デビューを前に訪問診療医・小澤竹俊さんの回で学んだこと

私事ですが、近々介護職デビューすることになりました。派遣社員で、先日施設に面接に伺ったところです。

介護に関することは就職してから書いていこうと思っていたのですが、たまたまNHKで見た在宅終末医療に携わる方の話がとても考えさせられる内容だったので、何も知らない今のまっさらな状態を残しておくことにしました。

40代半ばにして未経験業種への転職。正直怖いです。

しかもきついと評判の介護業界。割とポジティブな私でもさすがに不安でいっぱいです。

そんな時に見た、NHKプロフェッショナル仕事の流儀。訪問診療医・小澤竹俊さんの回です。

小澤竹俊さんとは

横浜市の在宅療養支援診療所・めぐみ在宅クリニックの院長。今でも診療にあたられていて、特にデリケートな対応が必要な方を担当されています。

1963年東京生まれ。

「苦しむ人の力になりたい。どんな仕事が一番苦しむ人の力になれるかと考えたとき、医師になろうと思ったのが高校2年生です」

丸メガネで穏やかな口調。医師は弱いからこそ自分を鍛えると早朝ジョギングを欠かさない人柄に誠実さを感じます。

いくつか印象に残ったことをご紹介します。

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患者の希望を叶えるためのネットワーク作り

小澤さんが注目を集めているのは、徹底した精神的なケア

地域の異業種間でも連携をとっておられます。

これは患者さんの思いに応えるべく、小澤さん自ら10年かけて構築されたもの。

紹介されたのは、訪問入浴サービスを受ける終末期の患者さんでしたが、入浴後は表情が明るくなっておられました。

その他、地域の他職種の方への講習会なども定期的に行われているそうです。

忙しい中にもビジョンを持って行動されてきたこと、そして異業種間の連携の強さが印象に残りました。

心を聴く

小澤さんの会話風景はとても独特です。

えーとかあーとかは一切言わず、そのまま文章に書き起こせるかのような無駄のない言葉。

相手の目を真っ直ぐ見る姿はなんだか牧師さんのようです。

そして反復と沈黙

反復は患者さんが言った言葉を繰り返す技術ですね。

「つらいんですよ」「つらいんですね」と。その後小澤さんが話さない沈黙の時間を作ることで、患者さんが自分の状況を客観的に見つめるように導いておられます。

患者さんが心の奥に抱えている思いを、本人の力も借りながら見つめていく。忙しい日々の中でも大切にしていきたいことです。

ディグニティセラピー

ディグニティセラピーとは聞き取りによる心理療法

思い出や成し遂げたこと、大切な人へのメッセージなどを手紙にします。

「残された家族がこれからをどう生きていくのか、そのときに本人とのつながりをどのように覚えていくのか。亡くなったからではなく亡くなる前だからこそ、私は意識して本人からのメッセージを家族にどのように届けることができるのか。支えとして本人からのメッセージを大事にしたいです」

終末期にある方が聞き取りに答える過程で自分の人生を受け入れる。その表情はどこか安らいだようで、可能ならば自分も残したいと思いました。

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決めつけず、探る

小澤さんは家族のケアにも心を配られていて、その流儀は「決めつけず、探る」

「相手が望む形、相手が穏やかと思えるその条件をこちらが決めつけずに、どんなことがあるとその人にとって少しでも穏やかと思えるのだろうか、そこに意識を当てながら丁寧に決めつけずにひとつずつ探していく」

患者さんを中心に家族がいい形でいられるよう、相手に合わせてアプローチを変えていく。なかなか難しいことのような気がします。

無力だからこそ、そばにいる

「力になりたい気持ちを忘れてはいけない。ただその気持ちがありながらなおできない自分がそこにいてよい」

これは深いですね・・・。小澤さんも救急医療からホスピスに移り、患者さんの思いに応えられない現実に苦悩されてきたようです。

この番組でいちばん印象深かったのは次の言葉でした。

「本当の力はすべての問題を解決できる力ではなくて、力になれない、でもそこにいられる。それは自分の弱さと無力を知った人が持つ確かな力ではないかなと思いました」

家族の思いは百人百様

今回の番組でいくつかの家族が紹介されましたが、迷い・戸惑い・明るさ・・・どれをとってもそれぞれでした。

キーパーソンも奥さんだったり息子さんだったり。

もっと頑張ってもらいたがっている人、本人の望むようにさせたい人。本当にみなさん違うんですね。

ですが、共通して見えてきたのは不安や迷い

大切な人がもうすぐ亡くなるという現実を前に、家族の方たちもどうしていいかわからないですよね。いや、私だってそうなると思います。

そこに寄り添えるような存在でありたいなあと思いました。

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プロフェッショナルとは

自分の弱さを認めながら、逃げないこと。そのために求められるのが「支えようとする私こそ、実は一番支えを必要としている、それを自覚した人がプロだと思います

「支えようとする私こそ、実は一番支えを必要としている」。

はっきり自覚はしていませんでしたが、私が介護職に就こうと思ったのもここにあるような気がします。

あ、でもこれ、医療福祉に限ったことではないのかもしれませんね。結

局支えられているのは自分だという思いは、年を重ねるにつれ強くなってきた気がします。

 

小澤さん、呼び出しなのか大晦日の夜も対応されてました。

その患者さんは結局次の日、1月1日にお亡くなりに。

それぞれに葛藤があったと思いますが、奥さん、お子さん、お孫さん、ご家族みんなに見送られて自宅で最期を迎える。語弊はあるかもしれませんが、幸せな風景を見た気がしました。

これから介護の世界に入りますが、折にふれ思い出したい言葉がたくさんあるいい番組でした。

ありがとうございました。